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年収が10万円増えたら手取りはいくら増えるのか?年収と手取の早見表を作ってみた

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こんにちは、らくからちゃです。

サラリーマンにとって年に2度のお楽み。賞与の支給日がやって参りました!!今期はヤラカシも多かったので、本当にいただけるのかドキがムネムネしておりましたが、ちゃんと振り込んで頂けました。ありがたやありがたや。ほんのり減ってたのは気にしない(´・ω・`)

ただ増えても減っても、実際の手取額の変化はそれよりも小さな金額になります。お給料が増えればそれだけ税金や社会保険料も増えますし、逆に減れば税金や社会保険料も減ります。

となると気になるのが「もし仮に◯◯万円年収が増えたら、手取りはどれくらい変わるんだろう?」ってところじゃないでしょうか?

個人的に興味のある部分でしたので、額面年収別に

  • 社会保険料
  • 課税対象所得

について整理してみました。あくまで税理士でも社会保険労務士でもFPでもないド素人のメモなので超々概算ですが、どなたかのお役に立てば幸いです。

1.あなたの給料から引かれるもの

ところで皆さん、お給料から何がいくら引かれているかって意識されていますか?いわゆる天引きされる項目を整理すると、以下のようなものあげられます。

  • 所得税
  • 住民税
  • 厚生年金保険料
  • 健康保険料(+介護保険料)
  • 雇用保険料

ひとや会社によっては、共済費や労働組合費、または確定拠出年金などが引かれている場合もあるかもしれませんね。

月収20〜30万円くらいのひとなら「厚生年金保険料」が一番大きく、その次は「住民税」か「健康保険料」というケースが多いかと思います。これらの金額を全部足すと大雑把に額面額に対して2割くらいじゃないでしょうか。

せっかくなので給与明細を見ていただきたいのですが、平均的な会社員であれば所得税・住民税の"税金"よりも、年金・健康保険・雇用保険の"社会保険料"のほうがずっと高額なひとが多いんですよね。

厚生年金保険料は一律9.15%。健康保険料はお勤めの会社によって金額が変わりますが概ね5%前後。雇用保険料は業種によりけりかつ交通費も対象になりますが、0.3%か0.4%ですね。全部あわせると、"社会保険料"だけで額面給与の15%くらいになります。ちなみにこの金額は、全て本人負担分のみですので、さらに会社負担分も含めると3割近くを払っていることになります。細かい話はこの記事が分かりやすいかもです。

www.yutorism.jp

ということは、"税金"は5%くらいです。案外少ないもんですね。「でも住民税は10%って聞いたよ」というひともいるかもしれません。どうしてこの差が出るのかというと、社会保険料が額面給与から計算するのに対し、税金は課税所得から計算するためです。

2.所得と控除の考え方

税金は、年収500万円の人でも、500万円まるまるに対して掛かるわけではありません。そこから「控除」と呼ばれる「税金を払わなくても良い部分」を差し引いた金額に対してかかります。

誤解するひとも多いのですが、「10万円の控除」とは「税金が10万円減る」という意味ではありません。「計算上の年収が10万円少なくなる」ことを意味し、10万円✕税率分の税金が減ります。

医療費控除や生命保険料控除など、多数の控除があります。その全ては説明しきれませんが、以下は該当者も多く金額も大きいため覚えておくと良いでしょう。

社会保険料控除

まずは簡単なものから見ていきましょう。社会保険料控除とは、その名の通り社会保険として払った部分には税金がかからない仕組みです。

社会保険料は額面年収の約15%ですから、裏返せば税金は給料の約85%の部分に掛かるということになりますね。凄い細かい話をすると、社会保険料は所得が一定以上になると頭打ちになりますので、厳密に言えば15%固定でもないのですが、今回本記事では割愛します。

基礎・配偶者・扶養控除

「基礎控除」「配偶者控除」「扶養控除」という別々のものですが、性質が似ているのでまとめて扱います。これは最低限の生活費を確保するために、そのお給料で生活している家族の人数分は、税金の計算から除外するための控除です。

基礎控除は特に制限はなく、税金を収める人が全て48万円(2020年以降)分の控除がうけられます。これもまた凄い細かい話をすると、2020年以降、合計所得が2400万円以上の場合、基礎控除は段階的に引き下げられますが、こちらも対象者が非常に少ないため割愛します。

配偶者控除は、奥さんが専業主婦の場合に受けられます。金額は38万円でございます。専業主婦優遇のイメージの強い仕組みですが、お給料がなく自分で使えない控除を旦那さんに代わりに使ってもらう仕組みと考えれば分かりやすいでしょう。

扶養控除は、16歳以上の働いていない家族がいる場合に受けられます。こちらも金額は一人あたり38万円ですね。16歳未満の子供は、子ども手当が出ますので、控除からは対象外となりました。親や兄弟も「扶養家族」であれば対象です。

給与所得控除

そして最後が一番の難関です。

自営業者なら、事業で使うお金を経費として計上して課税所得を減らすことができます。中には仕事と趣味の中間のような支出も経費にすることができますが、会社員はそうもいきません。そうした不平等を解消するために設けられている控除が、給与所得控除です。

その額は、年間のお給料の額によって変動します。給与所得の金額に対して徐々に減らされていき、最大は195万円です。

  1. 162.5万円以下:55万円
  2. 162.5万円超180万円以下:その収入金額×40%-10万円
  3. 180万円超360万円以下:その収入金額×30%+8万円
  4. 360万円超660万円以下:その収入金額×20%+44万円
  5. 660万円超850万円以下:その収入金額×10%+110万円
  6. 850万円超:195万円

例えば

  • 年収300万円→98万円(32%)
  • 年収600万円→164万円(27%)

が控除され「控除率」で言うと年収の低いほどほど高くなる仕組みですので、低所得者に優しい計算ロジックになっています。

3.所得税と住民税の金額計算

さてこれでやっと税金の計算ができます。

お給料から天引きされる税金には、「住民税」「所得税」の二種類がありましたよね。それぞれの計算式を見ていきましょう

住民税

住民税は、所得に対して一定の割合で課税される「所得割」と、固定で一定額が課税される「均等割」の二種類があります。

  • 所得割:10%(都道府県4%+市町村6%)
  • 均等割:5000円(都道府県1500円+市町村3500円)

が徴収されます。ごく一部の自治体では税率が異なりますが、基本的には全国一律です。なお政令指定都市は、都道府県との取り分が変わりますが、徴税額は同じですので、あまり気にする必要はありません。

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また住民税は、前年の所得に対して計算されます。会社員であれば、お給料から12分割で天引きする仕組み(いわゆる特別徴収)なので、ボーナスからは引かれません。

そういう仕組のため、入社して1年目の新入社員も払う必要がありません。ただ翌年から、ドカンと天引きされますので、それに備えておいたほうが良いですね。

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 所得税との違いということで言えば、計算で使用する基礎控除の金額が、住民税のほうが5万円少なめ(つまりその分課税所得多め)で計算することになります。

所得税

で、お次が所得税です。

所得税は累進課税制度を採用しています。

課税所得税率控除額
195万円以下5%0
195万円超〜330万円以下10%97500
330万円超〜695万円以下20%427500
695万円超〜900万円以下23%636000
900万円超〜1800万円以下33%1536000
1800万円超〜4000万円以下40%2796000
4000万円超45%4796000

段階的に税率が上がっていく「累進課税」の仕組みは、学校でも勉強するはずですが、これきちんと理解している人が少ないような気がします。

例えば課税所得330万円以下であれば税率は10%、330万円超であれば税率は20%です。これは330万円のひとが、331万円になったとき、支払う税金が33万円から66.2万円に一気に倍増するって話ではありません。

その「範囲内の所得に掛かる税金」が10%や20%という税率であるということを意味しています。

例えば所得が400万円の人の場合、

  • 195万円部分→ 195万円*5% =  9.75万円
  • 195万円から330万円部分 → (330万円 - 195万円) * 10% = 13.5万円
  • 330万円から400万円部分 → (400万円 - 330万円) * 20% = 14万円

合計 9.75万円 + 13.5万円 + 14万円 = 37.25万円 になります。うん超面倒くさいね(笑)

ただ「この数式って、要するに一旦最大税率で計算して、下の部分との税率の違いは差額を差し引けば良いんじゃね?」ということに気がついた人が居たようで、計算を簡略化する「控除額」を事前に準備してくれています。

年収330万円〜695万円の控除額は42.75万円ですので、

  • (400万円 * 20%) - 42.75万円 = 37.25万円

になります。これなら簡単ですね!

4.年収&税額早見表

さて前置きが随分長くなりましたが、上記を前提に年収と手取り金額の早見表を作ってみました。

注意点として

  • 社会保険料控除・基礎控除・給与所得控除の3種類のみ
  • 社会保険料は14.4%で一律固定(月額報酬の上限は考慮せず)

のざっくり概算版です。あわせてその年収の人がお給料を10万円増やしたら、手取りがいくら増えるのか?を「増分」に書いてみました。するとこんな塩梅です。

ド―――(゚д゚)―――ン!

年収社会保険控除基礎控除給与所得控除課税所得住民税所得税税+社保手取手取率増分
10014.448550.00.00.014.485.686%8.6
11015.848550.00.00.015.894.286%8.6
12017.348550.00.00.017.3102.786%6.3
13018.748558.31.80.421.0109.084%7.3
14020.2485516.82.70.823.7116.383%7.3
15021.6485525.43.51.326.4123.682%7.3
16023.0485534.04.41.729.1130.982%7.7
17024.5485839.55.02.031.4138.682%7.9
18025.9486244.15.42.233.5146.581%7.7
19027.4486549.66.02.535.8154.281%7.7
20028.8486855.26.52.838.1161.981%7.7
21030.2487160.87.13.040.4169.681%7.7
22031.7487466.37.63.342.6177.481%7.7
23033.1487771.98.23.644.9185.180%7.7
24034.6488077.48.73.947.2192.880%7.7
25036.0488383.09.34.249.5200.680%7.7
26037.4488688.69.94.451.7208.380%7.7
27038.9488994.110.44.754.0216.080%7.7
28040.3489299.711.05.056.3223.780%7.7
29041.84895105.211.55.358.5231.580%7.7
30043.24898110.812.15.560.8239.280%7.7
31044.648101116.412.65.863.1246.980%7.7
32046.148104121.913.26.165.4254.680%7.7
33047.548107127.513.76.467.6262.480%7.7
34049.048110133.014.36.769.9270.179%7.7
35050.448113138.614.96.972.2277.879%7.7
36051.848116144.215.47.274.5285.579%7.6
37053.348118150.716.17.576.9293.179%7.6
38054.748120157.316.77.979.3300.779%7.6
39056.248122163.817.48.281.7308.379%7.6
40057.648124170.418.08.584.2315.879%7.6
41059.048126177.018.78.886.6323.479%7.6
42060.548128183.519.49.289.0331.079%7.6
43061.948130190.120.09.591.4338.679%7.5
44063.448132196.620.79.993.9346.179%7.2
45064.848134203.221.310.696.7353.379%7.2
46066.248136209.822.011.299.4360.678%7.2
47067.748138216.322.611.9102.2367.878%7.2
48069.148140222.923.312.5104.9375.178%7.2
49070.648142229.423.913.2107.7382.378%7.2
50072.048144236.024.613.9110.5389.678%7.2
51073.448146242.625.314.5113.2396.878%7.2
52074.948148249.125.915.2116.0404.078%7.2
53076.348150255.726.615.8118.7411.378%7.2
54077.848152262.227.216.5121.5418.578%7.2
55079.248154268.827.917.1124.2425.877%7.2
56080.648156275.428.517.8127.0433.077%7.2
57082.148158281.929.218.4129.7440.377%7.2
58083.548160288.529.819.1132.5447.577%7.2
59085.048162295.030.519.8135.2454.877%7.2
60086.448164301.631.220.4138.0462.077%7.2
61087.848166308.231.821.1140.7469.377%7.2
62089.348168314.732.521.7143.5476.577%7.2
63090.748170321.333.122.4146.2483.877%7.2
64092.248172327.833.823.0149.0491.077%6.8
65093.648174334.434.424.1152.2497.877%6.6
66095.048176341.035.125.4155.6504.476%6.3
67096.548177348.535.927.0159.3510.776%6.3
68097.948178356.136.628.5163.0517.076%6.3
69099.448179363.637.430.0166.7523.376%6.3
700100.848180371.238.131.5170.4529.676%6.3
710102.248181378.838.933.0174.1535.975%6.3
720103.748182386.339.634.5177.8542.275%6.3
730105.148183393.940.436.0181.5548.575%6.3
740106.648184401.441.137.5185.2554.875%6.3
750108.048185409.041.939.1189.0561.175%6.3
760109.448186416.642.740.6192.7567.375%6.3
770110.948187424.143.442.1196.4573.674%6.3
780112.348188431.744.243.6200.1579.974%6.3
790113.848189439.244.945.1203.8586.274%6.3
800115.248190446.845.746.6207.5592.574%6.3
810116.648191454.446.448.1211.2598.874%6.3
820118.148192461.947.249.6214.9605.174%6.3
830119.548193469.547.951.1218.6611.474%6.3
840121.048194477.048.752.7222.3617.774%6.3
850122.448195484.649.554.2226.0624.073%6.0
860123.848195493.250.355.9230.0630.073%6.0
870125.348195501.751.257.6234.0636.073%6.0
880126.748195510.352.059.3238.1641.973%6.0
890128.248195518.852.961.0242.1647.973%6.0
900129.648195527.453.762.7246.1653.973%6.0
910131.048195536.054.664.4250.1659.973%6.0
920132.548195544.555.566.2254.1665.972%6.0
930133.948195553.156.367.9258.1671.972%6.0
940135.448195561.657.269.6262.1677.972%6.0
950136.848195570.258.071.3266.1683.972%6.0
960138.248195578.858.973.0270.1689.972%6.0
970139.748195587.359.774.7274.1695.972%6.0
980141.148195595.960.676.4278.1701.972%6.0
990142.648195604.461.478.1282.1707.972%6.0
1000144.048195613.062.379.9286.2713.971% 

※単位は万円

年収が850万円超えると、お給料が10万円増えても手取りは6万円しか増えないんですね。嬉しさも4割減です。あんまり無駄に働きすぎず、人生を楽しみなさいよ!ってことですかね。

まあ来年は、そんなことを悩めるくらい貰えるようになればよいな(笑)

ではでは、今日はこのへんで。


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